人気企業ランキングや年収ランキングなどの調査データを見ていると、中小企業よりも有名な大企業の方に転職したがる人の方が多いです。
中小企業よりも大企業の方が福利厚生や給与面など様々な点でメリットが大きいと考える人が多いからだと思います。
確かに、ボーナスの金額や退職金の有無、厚生年金の総額などの金銭面での充実度だけでなく、育休制度の整備状況などを考慮すると、中小企業よりも大企業の方に軍配が上がるのは仕方がないことでしょう。
しかし、条件面でのハード的要素だけが転職する際の評価基準と考えてしまうのは本当に正しいことだと言えるのでしょうか。
大企業に転職すると、家族や親戚、恋人、友達の前では鼻高々と自慢話に花を咲かせることができるかもしれませんが、その会社の中で実際に働かなければならないのは他でもない自分自身なのです。
表面的な世間体は保たれますが、大企業の歯車の一部として駒のように働き続けなければなりません。転勤辞令が出れば、どんな僻地にだって嫌でも出向しなければいけないのです。「こんな場所には行きたくありません」だとか「単身赴任は家族とバラバラになるから嫌です」などといったような個人的な意見はすべて却下されてしまうと思っていて間違いありません。
つまり、「個人の自由」なんてないに等しいのです。
「会社に魂を売ってしまった」と諦めて、腹を括ってしまった方が、むしろ楽に生きられることでしょう。
お金と引き換えに人生の主導権を手放して生きることを選択したのですから、人生の裁量権は持ち合わせていないという意味と同義だと考えられます。
日本の大企業の数多くは、上司のハンコによる承諾がなければ、どんなに画期的で素晴らしい名案を提案したとしても問答無用で却下されてしまうのが通例です。
ごく稀に、ものすごく理解のある良識的な上司もいる場合もありますが、その上司の上にもまた更なる上司がいるので、自分が発案した他の誰も思い付かないようなアイデアを提案してみたところで、前例踏襲の文化を覆せるとは決して思わない方がよいと思います。
また、大企業に勤務している社員の人達は、ほとんどの人が高学歴の優秀な人達ばかりなので、前職で少しばかり輝かしい実績を作っていたり、多少経歴で誇れるような部分があったとしても、その程度のレベルの人材は掃いて捨てるほど大勢いるので、やはり自分の意見が尊重されて活躍できるだろうなどとは思わないでいた方がよいでしょう。
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