不動産業界へ転職するために、宅建の資格取得を目標に掲げて、長期間もの大切な時間を資格取得のための勉強に費やす人が時々いますが、果たして本当にそれは必要なことなのでしょうか。
確かに、宅建の資格を持っていると、採用面接の場面では、他の宅建資格未取得者に比べて有利な展開をしていくことができます。
実際問題として、不動産業界での現場仕事をしていく中での不動産知識や法律用語などについて詳しく勉強することになるので、宅建資格は持っておいた方が重宝されやすいという側面は否めません。
不動産会社の中には「資格手当制度」が用意されているところもあり、宅建資格を取得することにより、給与賃金が数万円分アップしたり、報奨金が支給されたりするような会社もあります。
そういった宅建資格の取得を推奨しているような不動産会社では、宅建資格の保有者の方が未保有者よりも優遇的な措置を受けることがあるというような場面も数多くあるのかもしれません。
しかし、宅建資格の有無だけが、不動者業界への転職を成功させるための重要な要因になるのかといえば、決して、そんなことはないと私は思っています。
なぜなら、不動産業界で活躍できるかどうかの最大の基準というのは、営業利益をどれだけ出せるのか?といった部分にフォーカスされている節があるので、資格取得という問題は、どちらかと言うと、2の次、3の次という問題なのです。
私の友達が勤務している不動産会社では、宅建試験に4回連続で落ち続けている人がいるのですが、この人の営業成績は会社でトップの順位にあるので、社長や上司から一目置かれて可愛がられているという現実があります。
そうかと思うと、宅建試験に1発で合格した優秀な同僚は、営業成績が非常に悪く、売り上げノルマを達成できていない月が頻繁にあるので、周囲の先輩社員や上司からは「仕事のできない社員」と見做されてしまって、重要業務は任せられない状況に陥ってしまっているそうです。
つまり、不動産業界へ転職する上で、宅建資格は持っておいた方がよいけれども、なにがなんでも絶対に取得していなければいけないというわけではなく、それよりも、転職先の不動産会社で優れた営業成績を残したり、売り上げノルマを達成し続けたりすることの方がよっぽども大事だということです。
だから、もし、前職で営業マンとしての職務経験があるというような人は、わざわざ宅建資格の取得のために休職制度を利用して、宅建試験の勉強時間を長時間も確保しようなどというようなことに、無駄な労力を費やす必要はないということです。
むしろ、不動産業界ではない他の業界で営業経験があるという営業経験者の人は、その当時の売り上げ実績や会社への貢献度合いを数値化してアピールする方が、不動産業界への転職は成功する確率が格段に上がるような気がします。
コメント